地質教材研究
「足羽三山の地質と笏谷石(しゃくだにいし)について」
吉澤 康暢
福井県教育研究所研究紀要,第69号,111-118貢,1976年3月別冊に加筆補填
福井県教育研究所研究紀要,第69号,111-118貢,1976年3月別冊に加筆補填
地下水で水没した縦坑(撮影:1999年11月 七ツ尾採掘坑道内)
良質の“青手”の笏谷石を地下に求めていくと,どうしても深い縦坑の採掘となる。縦坑の一番の問題点は,大量の地下水の処理である。地下水は,地上に降った雨が地中にしみこみ,岩盤を切る断層や割れ目に沿って流れ落ちてきたものである。わずかの地下水でも,長い時間のうちには縦坑をすっぽり埋め尽くす量となる。縦坑では,常時この大量の地下水を汲み上げる揚水ポンプが必要となる。良質の笏谷石を採掘し尽くすと揚水の必要がなくなり,縦坑は地下水で水没してしまうのである。 |
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