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福井市史 資料編13 民俗/第五章 経済生活(一)五 採石・製塩

(発行:福井市)

《目次》
採掘法 / 石切り / 採石工 / 採石工の一生 / 石工の服装 / 採石用具 / 販売 / 禁忌


1 足羽山の凝灰岩

 

石切り

 

 地下の石切り場は、湿度93〜97%、気温15〜17度であって、坑外の気温に比べれば、冬は暖かく、夏は寒い。だから夏でも綿入れのそでなしを着て作業する。地下であるから、もちろんまっ暗で、照明はカンテラの光だけである。そのカンテラをまたの間に挟んで仕事をした。
 石切りの仕事の量は、尺六の石材を1日に7、8本切り出すのが一人前で、なかには10本切り出す人もあった。
 切り出す石の大きさと名称および用途は次のとおりである。

名称厚さ長さ用途
尺六1尺
(約30cm)
6寸
(約18cm)
3尺
(約90cm)
石垣
五六 5寸
(約15cm)
6寸
(約18cm)
3尺
(約90cm)
はどり
尺二1尺2寸
(約36cm)
3尺5分
(約10.5cm)
3尺
(約90cm)
張り石
五寸板1尺5寸
(約45cm)
3寸5分
(約10.5cm)
3尺
(約90cm)
敷き石
二寸板1尺2寸
(約36cm)
3寸5分
(約10.5cm)
3尺
(約90cm)
敷き石
尺板1尺
(約30cm)
3寸5分
(約10.5cm)
3尺
(約90cm)
敷き石

 笏谷石の重さは、尺六1本で約27貫(約100キログラム)である。
10センチ立方で約2キログラムという計算になる。

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